安全で快適な走行のためには、タイヤ交換時の「締め付けトルク管理」が欠かせません。
ここでは、3代目フリード(GT1〜GT8型/2024年〜)に適したトルク値・工具・注意点をやさしく解説します。
目次
フリード3代目(GT1〜GT8型)のホイールナット締め付けトルク
まずは結論から。
3代目フリードは2024年に登場した新世代モデルで、GT1〜GT8まで複数の型式が存在します。
最初に基本となる締め付けトルクの考え方を押さえましょう。
- 対象型式:GT1〜GT8(2024年〜)
- トルク値:108 N・m(11.0 kgf・m)(多くのホンダ車で一般的とされる目安)
最終的には車両整備要領書またはホイール/ナットのメーカー指定値を必ずご確認ください。
まずは目安を把握し、次に純正ナットの仕様を確認して、誤った組み合わせを避けるのが安全運用の近道です。
純正ホイールナット仕様・確認ポイント
トルク管理の前提として、ナットそのものの仕様理解が欠かせません。
ここを外すと、いくら正確に締めても不具合が出ることがあります。
- ネジ径:M12×P1.5(ホンダ車で一般的)
- HEX:19mmが基本
- 座面形状:球面(ホンダ純正)
社外ホイール装着時に座面形状(テーパー/球面)が合わないナットを使うとガタ付きや座面損傷の原因に。
安全のためホイールに合わせて純正指定形状またはホイールメーカー推奨ナットを選びましょう。
仕様が合っているか確認できたら、次は「なぜトルクレンチが必要なのか」を理解してミスを防ぎます。
トルクレンチを使う理由
トルクレンチを使用する時は、力任せは厳禁。
正しいトルクで均等に締めることが、脱輪や振動を防ぐ最短ルートです。
- 締めすぎのリスク:ハブボルトの伸び・折損/ホイール座面の変形
- 緩すぎのリスク:走行中の緩み・ガタ・最悪の場合は脱輪
- 基本:トルクレンチで指定値に合わせ、クロス順で均等に締める
理由が分かれば、実際の手順はシンプル。次でステップごとに確認しましょう。
締め付け手順とコツ
道具があっても手順が間違っていると効果半減。以下の流れを守れば安定した取り付けができます。
- 仮締め:手でねじ込み、十字レンチで軽く当ててホイールを正しく座らせる
- クロス順で仮締め:対角線順に軽く締め、座面圧を均等化
- 本締め:トルクレンチを108 N・mに設定し、再びクロス順で締め付け
- 再チェック:走行約100km後に増し締め(再トルク)で緩みを予防
この4ステップを守るだけで、振動・偏摩耗・緩みの多くが未然に防げます。次は社外ホイールや冬用運用時の注意点です。
社外ホイール装着時・特殊用途時の注意点
純正と同じ手順でも、条件が変われば注意点も変わります。
特に社外ホイールでは座面やナットの指定を必ず確認しましょう。
- 座面形状の不一致に注意:テーパー対球面の取り違いはNG
- 軽合金(アルミ)ホイール:締めすぎで座面陥没・割れの事例あり
- 冬用ホイール:基本は同トルク。メーカーが独自指定を出す場合はそちらを優先
- DIYの場合:トルクレンチの精度(校正)・クリックの読み取りに注意
条件に合わせた最適解を選べば、通年で安心して運用できます。
続いて実用的な工具を厳選して紹介します。
おすすめトルクレンチ(DIY〜プロまで)
迷ったら信頼性重視。
フリードのトルク管理に使いやすいモデルです。
トルクの値は細かく設定できるため、他の車でも使うことができます。
規定のトルク値に設定して締め付けてください。
エマーソン(Emerson) トルクレンチ トルク対応レンジ 40〜200N・m トルク精度 ±4% 12.7mm (1/2インチ) 103N...
ここからは、よくある疑問にQ&Aで答えます。
Q&A:フリード3代目のホイールナットに関するよくある質問
実践直前の不安はここで解消。
迷いやすいポイントだけを短くクリアにまとめました。
Q1. トルクレンチがないときは?
A. 十字レンチでの仮運用は可能ですが、目安は「手でしっかり+1/4回転」程度。
できるだけ早くトルクレンチで正確に本締めし直してください。
Q2. 電動インパクトで本締めしていい?
A. 過剰締めになりやすいので仮締めまで。
本締めは必ずトルクレンチで。
Q3. グリスや潤滑剤は塗る?
A. 原則塗布しません。
摩擦低下で設定以上に締まり、ボルト損傷や座面変形の原因に。
Q4. 冬タイヤも同じトルク?
A. 基本は同一トルク。
ホイールメーカーが独自指定している場合はそちらを優先。
Q5. 増し締めはいつ?
A. 交換後約100km走行を目安に再トルク。
馴染みによる緩みを予防できます。
まとめ:トルク管理が安全走行の第一歩
要点を再確認。
フリード3代目(GT1〜GT8型)のホイールナット締め付けは、一般的なホンダ車同様に108 N・mが目安。
ただし、最終判断は整備要領書およびホイール/ナットのメーカー指定値で。
- 本締めはトルクレンチ+クロス順で均等に
- 交換後は100km走行で増し締め
- 社外ホイールは座面形状と指定トルクを必ず確認
タイヤ交換時はタイヤの空気圧もチェックしてください。
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